
CH Precision | 10 Series |D10 SACD/CD/MQACD Transport
D10 は、光ディスクトランスポートにおける進化を象徴するモデルです。D1.5で築いた高評価を礎に、機械構造、振動制御、データ読み取り技術の各領域においてさらなる進化を遂げました。CH Precisionが長年にわたり蓄積してきた技術と知見の結晶として、D10はパッケージメディアからのデジタル情報抽出の常識を覆し、新たな基準を提示します。
D10 Reference Transportは、光ディスク再生における新たな基準を打ち立てる、これまでにない最先端のトランスポートです。その設計は、D1.5で得られた重要な知見と実績あるアーキテクチャを直接的に継承しています。D1.5で確立された設計基盤の上に構築されながら、D10 Reference Transportはディスクからのデータ読み取りのあらゆる側面を再定義し、精度と忠実度を新たな次元へと引き上げます。
D10 Reference Transportの中核には、CH Precision独自の革新的レーザーメカニズム「MORSE(Mechanically Optimized Reading & Stability Enhancement)」が搭載されています。完全自社設計・自社開発によるこの機構は、機械精度、安定性、データ抽出精度のすべてにおいて新たなベンチマークを確立します。D1.5の単一素材構造をさらに発展させ、D10ではサスペンション構造のトランスポートプラットフォームに、アルミニウム外装と高密度真鍮コアから成る高度な複合構造を採用。これにより振動減衰性能と機械的剛性が大幅に向上しています。アルファゲル・アイソレーターによって支持されたこの機構は、重量13kgと前モデルの10倍以上の質量を誇り、20Hz以下の振動を抑制。機械的ノイズを低減し、デジタル信号の純度を維持します。


■静寂。安定。音の真実。
D10 Reference Transportを際立たせる数多くの革新の中でも、特に静かに、しかし決定的な変化をもたらすのが、トランスポート機構そのものに直接組み込まれた高精度円形水準器の存在です。従来のように外部シャーシで水平を取る設計とは異なり、この内部キャリブレーション機構により、光学ピックアップはシャーシの状態に依存せず極めて高精度にアライメントされます。一見シンプルなこの追加要素は、極めて大きな意味を持ちます。ディスクの回転面を厳密に最適化することで、トラッキングの均一性を確保し、機械的ストレスを最小化、エラー訂正への依存も低減します。その結果、回転安定性が向上し、データ取得精度が高まり、時間軸のにじみやジッターが測定可能なレベルで低減されます。
この徹底したアプローチは、モーター駆動式トップローディング構造にも受け継がれています。垂直アクセス方式のDisc Vaultは、機械的に美しいだけでなく、従来のトレイ方式に見られるディスクの揺れや軸方向の不安定性を排除するという機能的な必然性を備えています。ハイブリッド動作のシーリングドアは、制御された精密な動作で開閉し、設計全体に共通する機械的完全性へのこだわりを体現しています。質量による制振から動作制御に至るまで、すべての要素が音響性能のために選び抜かれています。
これらの機械的革新により、D10は従来のトランスポートでは見過ごされがちな音色の微細なニュアンス、空間のレイヤー、リズムの一体感を明らかにします。ディスクとの物理的インターフェースにまで踏み込んだ設計により、CH Precisionは光ディスク再生の実用的限界を押し広げ、マスターレコーディングに迫る音楽表現を実現しました。

■機械的静寂とデジタル精度
多くのメーカーは、必要性からミッドクラス製品向けに設計されたOEMトランスポートを、たとえ高額な製品であっても採用しています。しかしCH Precisionは、この妥協を明確に拒否します。既製メカニズムを流用するのではなく、オーディオ史上最も野心的なCDトランスポートを目指し、完全自社設計・自社製造を行いました。
D10 Reference Transportの中心にあるMORSE機構は、その名の通り「Mechanically Optimized Reading & Stability Enhancement」を体現するレーザートランスポートシステムであり、完全に自社内で設計・開発・製造されています。これは機械的静寂とデジタル精度を追求した成果であり、安定性とデータ完全性において新たな基準を打ち立てます。D1.5で確立された設計思想を発展させ、D10では高密度真鍮コアを精密加工アルミニウムで包み込む複合構造のサスペンションプラットフォームを採用。質量、剛性、減衰を理想的なバランスで融合し、自己共振を大幅に低減するとともに機械的接地性を向上させています。
4つのチューニングされたアルファゲル・アイソレーターにより支持される13kgの構造体は、D1.5の10倍以上の重量を持ち、20Hz以下という低い共振周波数を実現。これによりディスク動作帯域から完全に分離され、内外の振動からレーザー機構を隔離し、機械的干渉のない極めて高精度かつ時間的安定性の高い動作を可能にしています。
MORSEは、CH Precisionの設計哲学を象徴する存在です。機械領域においてもデジタル処理と同等の厳密さで設計を行うことで、極めて純度の高いデータ抽出を実現し、その物理的安定性を可聴的な静寂へと昇華させています。
■D10 外部電源ユニット
D10 Reference Transportは、10シリーズの他のリファレンス機と同様に専用外部電源(PSU)を採用しています。多くのパワーアンプに匹敵する電流・電圧供給能力を備え、極めて安定かつクリーンな電源をトランスポート機構へ供給。ノイズを最小限に抑え、デジタル信号の純度を維持します。
トランスポートモーター、制御系、DSP、マスタークロックの各セクションは、ガルバニック絶縁された4つの独立電源によって駆動され、クロストークを排除。さらに多段レギュレーションにより、すべてのサブシステムへ常に安定したクリーン電流を供給します。電源部を含めた総重量は66kgに達し、デジタル再生機器として圧倒的な存在感を誇ります。
CH Precisionの徹底したエンジニアリングにより、SACD、CD、MQA-CDといった光ディスクからのデータ読み取りは極めて正確かつ完全に行われます。レーザートラッキング精度は最大化され、読み取りエラーは最小化、時間軸の整合性も厳密に維持されます。その結果、透明度の向上、音場の奥行き拡大、微細情報の再現性向上、そして自然な時間表現と音楽の流れが実現され、あらゆる録音の持つ感情とニュアンスを余すことなく描き出します。

■究極の精度、ディスク再生へ
最高峰のディスク再生を求めるリスナーにとって、D10 Reference TransportはC10 Reference DACの理想的なパートナーであると同時に、他社製DACとの完全な互換性も備えています。SACD、CD、MQA-CDの潜在能力を最大限に引き出すために設計されたD10は、卓越した時間精度、音色の純度、音楽的洗練を実現します。低ノイズトランスポート機構、ガルバニック絶縁デジタル出力、精密設計の機械構造により、後段のDACへ供給される信号は極めて純粋かつ安定しており、ジッターや時間軸の乱れ、電気的汚染の影響を受けません。
さらにD10はCHシステムに限定されるものではありません。単体コンポーネントとしても、あらゆる高性能デジタルフロントエンドに対して最先端のアップグレードを提供します。CH独自のデジタルアーキテクチャとの組み合わせはもちろん、他社製リファレンスDACと組み合わせた場合でも、光ディスク再生を再び最も解像度が高く、かつ感動的なリスニングフォーマットへと引き上げます。
10シリーズの各コンポーネントは、単体でも組み合わせても、CH Precisionの中核的価値であるモジュラリティ、徹底したエンジニアリング、そして音楽の真実への揺るぎない追求を体現しています。ストリーミングが主流となる現代において、D10はフィジカルメディアに新たな意味と比類なきパフォーマンスをもたらします。

D10 - リアパネル

写真左側上から、C10 Conductor、C10 Master DAC、C10 Conductor電源部、C10 Master DAC電源部
右側上から、D10 SACD/CD/MQACDトランスポート、T10 タイムリファレンスクロック、D10 電源部、C10 Master DAC電源部
スペック Technical Specification
Power supply
Selectable 100V, 115V or 230V Ac, 47Hz to 63Hz
Power consumption
・Standby: <1W
・Normal operation: Max 100W
Operating conditions
・Stereo and Bi-amplification mode
・Humidity: 5% to 85% (no condensation)
Weight
・Transport: 42kg
・Power supply unit: 25kg
Supported discs
・CD, CD-R, CD-RW, MQA-CD: stereo PCM 16bit/44.1kHz(redbook)
・SACD: single layer and hybrid stereo, DSD 1-bit / 2.8224MHz (scarletbook)
Digital Audio Outputs
■CH LINK HD
・Proprietaryu data link supporting high-definition uncompressed audio and control. Cyphered operation for high-resolution signals (DSD). LVDS signaling for all audio signals(incl. clocks).
・1-bit/2.8224MHz (SACD)
・XLR connector, 2.5Vpp diff., 110Ω
■AES/EBU (consumer format)
• 16-bit/44.1 or 24-bit/88.2kHz (CD, MQA-CD)
• 24-bit/44.1, 88.2, 176.4kHz or 1-bit/2.8224MHz DoP encoded (SACD)
• RCA connector, 0.5Vpp, 75Ω
■ Coaxial (S/PDIF)
• 16-bit/44.1 or 24-bit/88.2kHz (CD, MQA-CD)
• 24-bit/44.1, 88.2, 176.4kHz or 1-bit/2.8224MHz DoP encoded (SACD)
• Standard TOSLINK optical connector
■ Optical TOSLINK (S/PDIF)
• 16-bit/44.1 or 24-bit/88.2kHz (CD, MQA-CD)
• 24-bit/44.1, 88.2, 176.4kHz or 1-bit/2.8224MHz DoP encoded (SACD)
16-bit/44.1 or 24-bit/88.2kHz (CD, MQA-CD)
Options
■Clock Sync Board
• One 10MHz input and two 10MHz outputs (on BNC connectors) for synchronisation with a 10MHz external clock like the CH Precision T1 Time reference
Power supply | Selectable 100V, 115V or 230V Ac, 47Hz to 63Hz |
Power consumption | ・Standby: <1W |
Operating conditions | ・Stereo and Bi-amplification mode |
Weight | ・Transport: 42kg |
Supported discs | ・CD, CD-R, CD-RW, MQA-CD: stereo PCM 16bit/44.1kHz(redbook) |
Digital Audio Outputs | ■CH LINK HD ・XLR connector, 2.5Vpp diff., 110Ω |
Options | ■Clock Sync Board |
