CH Precision  | 1 Series | D1 CD/SACDユニット (Legacy)

精緻を極めた独創の CD/SACD ユニット スイス CH Precision のデビュー作!!《CH Precision》の頭脳、Florian Cossy と Thierry Heeb の二人が、同社の記念すべき第1号機として開発に着手したのは、世界でも最高の性能を発揮する CD/SACD プレーヤー『D1』でした。しかも同機は企画の段階から、世の中に数多い、単なる CD/SACD プレーヤーとしてではなく、設計にはすぐれたアイデアが盛り込まれた構造体が考案・採用され、いかなる時代にもオプションボードの追加と、USB/イーサネットインターフェースからのソフトウェアアップデートにより、その時代の最先端をゆく能力が確保できる、優れた拡張性を身に付けるものとなっていたのです。この結果、「D1 CD/SACD プレーヤー」と称していた本機ですが、本機の持てる能力が次第に具体化するにしたがい、現在では、「D1 CD/SACD ユニット」と称しています。

多彩に能力を変化させるこの『D1』の基本形は、デジタル2ch出力ボードを搭載した『D1』CD/SACDトランスポートです。
このデジタル2ch出力ボード( AES / EBU, TOSLINK, CHLINK, SPDIF を各1系統搭載)のみを搭載した基本形の状態では、前記のように『D1』CD/SACD ユニットと呼ぶより、単純に『D1』CD/SACD トランスポートと称したほうが理解されやすいに違いありません。
もちろんここでも、高純度なアルミニウムをはじめ、スチールなどの異種金属を巧みに組み合わせることで、不要な振動を効果的に排除する精緻な筐体構造などは全種共通。いうまでもなく時計産業をはじめとする、多くの精密工作技術をそれぞれの各専門メーカーで行い、さらに同社で最終的なフィニッシュを入念に行ったものです。
その筐体の内部には当然、心臓部となると CD/SACD ドライブメカがおさまります。本機では世界に誇る Esoteric 製の VRDS-NEO メカニズムを採用し搭載。ディスク全体をクランプすることで振動を抑制し、確実な方法でディスクの微小振動まで押さえ込み、極めて制度の高いデジタルデータの読み取りが可能です。メカニズムはさらなる防振対策として、15kgもの重量の真鍮ベースシャーシ上にマウンドされています。
ただし、本機の内部には必要なドライブメカのほか、電源部と、最低限必要なデジタル2ch出力ボード等が納められているのみで、主だった物はそれだけ。すなわち本機は、実にシンプルな「CD/SACD トランスポート」なのです。したがって本機のみでのディスクの再生は不可能です。
再生のためには、後記する各 DACボードを本機に挿入し、一体型プレーヤーとするか、あるいは、これも後記する別売『D1』D/Aコントローラーを組み合わせ、『D1』+『C1』によるセパレートタイプ CD/SACD プレーヤーとして、ご利用になるかです。

『D1』の基本形+アナログステレオ出力ボード。これは前記したトランスポート型『D1』にステレオDAC搭載の一体型プレーヤーです。
前記の『D1』+デジタル2ch出力ボードのトランスポート型を基本形とすれば、それにアナログステレオ出力ボードをプラスした本機は、『D1』の標準的なタイプと称すべきものです。なぜならば、性能的には最高ですが、機能的にはごく標準的な一体型の CD/SACD プレーヤーだからです。
アナログ出力ボードは、バランス(XLR) ,アンバランス(RCA) を備えています。また、アナログモノラル出力ボードは、バランス(XLR) ,アンバランス(RCA) のほか、アンバランス(BNC) を備えています。
搭載したアナログステレオ出力ボードは、D/A 変換部のチップにデュアルモノモード構成された、ウォルフソン製WM8742を採用。ディスクリート構成のデュアルモノラル出力ステージに送られます。PCM と DSD で独立してデジタルフィルターを選択することができます。
また出力段にはシングルエンドRCA,バランスXLRの両端子を備えています。

さらに一体型『D1』の最も贅沢な使い方。それは52枚のアナログ用DACボード搭載によるステレオ再生です。
前記のように、多彩な拡張性を有する『D1』は、これ1台で様々な使い方に応えます。もちろん、その内容によりサウンドは微妙に、あるいは大幅に変化するのですが、なかでもここでお知らせする、アナログモノラル出力ボード2枚搭載サウンドは、まさに息を飲むばかりかの素晴しさと称しても過言ではありません。
ここでプラスするのは、前記した『D1』トランスポートにアナログモノラル出力ボード2枚を挿入してステレオ再生するものです。出力段はシングルエンドRCA,バランスXLR,BNC出力端子を備えた完全バランス、完全ディスクリート構成です。

『D1』に複数のデジタル2ch出力ボードまたはアナログ出力ボードを搭載して、マルチチャンネル再生をサポート。
『D1』には、優れた拡張性を発揮するモジュール構成のアーキテクチャを採用していすま。デジタル2ch出力ボードのみを搭載してシンプルな「CD/SACD トランスポート」として、また、これにアナログステレオ出力ボードを追加して一体型の「CD/SACD プレーヤー」として使用することができます。
さらに、前記した『D1』トランスポートにアナログモノラル出力ボード2枚を挿入した一体型『D1』の贅沢な使い方では、最高のサウンドクオリティをお約束します。
アナログ出力ボード、またはデジタル2ch出力ボードを挿入できるスロットが全部で4つ装備されており、アナログ/デジタルマルチチャンネル再生に対応させることができます。 その組み合わせはいろいろ。
例えば同じ5.1chの出力を提供するにしても、アナログ2ch出力ボードを3枚挿入したり、またはアナログモノラル出力ボード2枚とアナログ2ch出力ボードを組み合わせたり、デジタル2ch出力ボード1枚とアナログ2ch出力ボード2枚を組み合わせるなど、自由にカスタマイズすることができます。クロックインターフェイスボードを追加すれば、他社製品にクロック信号を供給したり、外部クロックを用いて10MHzや100MHzのような高いクロック周波数を直接入力することも可能です。

デジタル出力ボード/CH LINK
デジタル出力ボードは、同軸(RCA)、XLR(AES/EBU)、TOSLINKのほか、独自のデジタルインターフェース 「CH LINK」を備えており、専用のCH LINKケーブル<別売>で『C1』 D/Aコントローラーと接続することで、極 めて高品位なデジタル伝送が可能です。
CH LINKは1本のケーブルでオーディオ信号、クロック信号、コントロールデータを高精度に『C1』に伝送することが可能で、PCM (32bit/768kHzまで対応)はもちろん、DSD (1bit/2.8224 or 5.6448MHzに対応)フォーマットをサポートしています。
また、通常のデジタル出力の場合は、SACD の DSD 信号は PCM44.1kHz/16bit に変換されます。

振動をシャットアウトする、美しく堅牢な筐体
正確なピックアップを妨げる振動をいかに制御するかということは、プレーヤー設計にあたっての大きな命題です。『D1』 は高品質のアルミニウム、真鍮、スチールの異種金属を巧みに組み合わせたシャーシを採用することで、振動を効果的に逃がすことを可能にしています。ボトムシャーシは重量のある真鍮削り出し。フロント、サイド、トップパネルは肉厚のアルミニウム削り出しとしています。各パネルは、スイスの高級時計ブランドも加工を委託する部品メーカーで丁寧に削り出されます。隅々にまで行き届いたフィニッシュの美しさはまさにハイエンドにふさわしいクオリティです。

高水準の振動制御技術を採用したスパイクフット
『D1』 は4つのスチール製脚を持ちますが、それぞれの脚にはスパイクフットが内蔵されており、スパイク接地とすることで振動を効果的に逃がすことができます。スパイクは、『D1』 のトップパネルから専用の工具を用いて高さ調節が可能です。さらに脚を上下に貫くシャフトには、『D1』 とその他の 「CH Precision 製品」を重ねて使用する際に使用できるカバーが付属。このシャフトカバーを取り付けた状態でスタックすることにより、上下の機器が生み出す振動をトータルで制御し、振動が機器に及ぼす影響を最小とすることができます。

クリーンで潤沢な電源供給を可能にする電源部。そして『X1』外部電源ユニットによるさらなる充実。
『D1』 は、各部に最適な電源供給をするために、独立したウルトラローノイズレギュレーターを搭載しています。特にノイズに敏感なマスタークロック用電源には細心の注意が払われ、ノイズ源となるデジタル部やモーター制御部から完全に隔離されています。また 『D1』 は、スタンバイ時用のスタンバイトランスを別に搭載。使用しないときはスタンバイモードにすることで消費電力を最小に抑えることができます。全てのトランスは、ボトムシャーシから制振材を介してフローティングされており、トランスの振動が他の部分に影響を与えることがありません。
さらに 『D1』 は、オプションで『X1』 外部電源を使用することが可能です。『X1』 外部電源ユニットを接続することで、『D1』 の内部電源はスタンバイトランスを除いてオフになります。これにより、電源部が放射する電磁ノイズによる回路への影響を完全にゼロにすることができ、理想的な動作が可能となります。

高精度クロック搭載
完璧なタイミングで同期を実現する第一の条件は、オーディオデータがジッターのないクロックに同期して DAC チップに供給されることです。
『D1』/『C1』では、二つの高精度ロードリフトオーディオクロック用水晶発振器を DAC チップからわずか数センチの位置に配置。また、クロッキングセクションではノイズの多いデジタル信号から完全に隔離された専用の電源回路が使用されます。こうして丁寧に扱われたマスタークロック信号は、クロストークの影響を避けるために LDVS (低電圧差動シグナル)の形で DAC チップに供給され、入力されたオーディオ信号は独自のアルゴリズムで計算された、VCXO (電圧制御水晶発振器)を用いてデジタルコントロールされます。
このデジタル PLL の精度は極めて高く、0.1Hz以下までジッターを極限まで除去し、位相アライメントは+/-2.5の精度を保証しています。この高精度クロック信号は、CH LINK を用いて『D1』~『C1』間に供給可能なほか、オプションのクロックインターフェースボードを『D1』と『C1』のそれぞれにインストールして、『C1』をクロックマスターとすることで最高のパフォーマンスを得ることができます。さらに高精度な外部クロックジェネレーターと接続したり、他社製品にクロックを供給することができます。
また、DSDbitclock や Atomicclock (100kHz、10MHz)のような高いクロック周波数を直接入力することが可能です。(クロックインターフェースボード装着時)

その他
大型有機 EL ディスプレイ採用
『D1』 は、視認性に優れた大型の AMOLED(アクティブマトリックス方式有機 EL)ディスプレイを採用しています。また高度なソフトウェアにより、フォーマットによるディスプレイ色変更や輝度調整など、大変フレキシブルな設定が可能です。

快適な操作を実現するデュアルコンセントリックノブ
『D1』 の多彩な機能の全ては、フロントパネルにあるシンプルなデュアルコンセントリックノブでコントロールすることが可能です。フィーリングにもこだわり、スムーズで快適な操作を実現しています。

USB/Ethernet インターフェイス
『D1』 は USB ポートを搭載しており、将来のソフトウェアアップグレードにも柔軟に対応します。

リモコン搭載
コンパクトでスタイリッシュなリモコンを付属しています。リモコンは、使用しないときは 『D1』 のサイドパネルに取り付けることができます。

D1 - リアパネル
写真上:C1、写真下:D1

Download

D1 Firmware (DIGITAL IN HD boardをインストール済みの方)
ファームウェアはこちらからダウンロードいただけます。
※ファームウェア5.4(5.0以上)は、DIGITAL IN HD Boardをインストールされていることが必須となります。

Legacy D1 Firmware Version 4.3 (旧DIGITAL IN boardをインストールされている方)
ファームウェアはこちらからダウンロードいただけます。

CH Control Application
アプリはこちらからダウンロードいただけます。

スペック Technical Specification

Reference

Teac VMK-5 VRDS-NEO reading mechanism

Supported medias

CD, CD-R/RW
SACD single layer, dual layers and hybrid

Display

480x272 pixels, 24bits color, AMOLED

Mains operation

Selectable 100V, 115, 230V AC, 47-63Hz
Standby fuse (black holder): 250mA T (230V AC), 500mA T

Fuses value and location

Standby fuse (black holder): 250mA T (230V AC), 500mA T (100V AC, 115V AC)

Main fuse (white holder): 1.6A T (230V AC), 3.15A T (100V AC, 115V AC)

Power supply consumption

<1W (standby), 40W average in operation

Dimensions/Weight

440 x 440 x 133mm (W x D x H), 32kg

Remote control

IR Remote control provided, RC5 codes
Ethernet based system control via the Android CH Control App